暗殺昆虫と呼ばれるムシヒキアブ!その狩りの仕方について解説

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シオヤアブ 狩り

暗殺昆虫」と呼ばれる虫たちがいます。

その虫たちの名前は、ムシヒキアブ

ムシヒキアブは肉食性のアブですが、その「狩りの仕方」がユニークで、暗殺昆虫と呼ばれる所以となっています。

というわけで、今回は「ムシヒキアブの狩り」について紹介します!


執筆者: 亀田恭平 ネイチャーエンジニア

全国各地で観察した生き物たちの魅力をアプリやブログなどで発信中。もりみらい いきものゲームズの開発者。今まで出会った動植物は「5,000種」以上。書籍「弱虫の生きざま」。

ムシヒキアブとは

ムシヒキアブはハエ目ムシヒキアブ科というグループに属する昆虫たちです。

ハエ目には日本だけでも7600種以上が記録されていますが、その中でもムシヒキアブがユニークなのが「肉食性」であること。

ハエというと、糞やゴミに集まるイメージがありますが、実際ハエ目に属する昆虫には、糞や動物遺骸に集まるものが多くいます。

また、花の蜜や果実を食べたり、他の動物の血を吸う、といった食性のものがいます。

一方で「獲物を狩って、食べる」というムシヒキアブの食性は、ハエ目の中でも少数派なのです。

ムシヒキアブの狩り【暗殺昆虫の由来】

ムシヒキアブは肉食性のアブであり、その獲物となる虫は種によって異なりますが、大型のムシヒキアブの場合では「スズメバチ」や「トンボ」を狩ることもあります。

トンボをも仕留めるムシヒキアブ(シオヤアブ)

スズメバチやトンボと言えば、昆虫界でも上位の肉食昆虫です。

そんな強い虫たちと正面から戦うことは、非常にリスクが高い。

にも関わらず、ムシヒキアブが彼らを狩ることができるのには、狩りの仕方に秘密があります。

その狩りの仕方というのが「奇襲」。

見晴らしの良い場所で周囲を観察し、獲物を見つけると背後から高速で近付き、その鋭い口吻を後ろからブスッと刺して相手を仕留めるのです。

その狩りの仕方はさながら忍者のようで、"暗殺昆虫"とも呼ばれる所以です。

森に行くと杭や手すりの上にムシヒキアブが止まっている場面によく出会います。

手すりの近くを歩くとムシヒキアブが一瞬離れ、また手すりの近くに戻るような行動を取ります。

ムシヒキアブが再び同じ場所に戻ってくる行動を取るのは、あなたを意識したものではありません。

そこを通る獲物を見張っているのです。

オオイシアブ

見晴らしの良い場所に止まるオオイシアブ

ちなみにムシヒキアブはカメムシなどの草食性の虫も捕食するため、農家の方など植物を育てている立場から見ると益虫となります。

また、アブというと人を刺すイメージもあります(※)が、ムシヒキアブの獲物には人は含まれないので基本的に人を刺すことはありません。(手で捕まえたりすると防衛のために刺す可能性はあります)

※人を刺すアブは主に「アブ科」に属する昆虫たちです
▶︎ 実は刺すアブは一部って本当?人を刺すアブと刺さないアブについて紹介

そのため、むやみに怖がる必要はありません。

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ムシヒキアブの種類

ムシヒキアブにはいろいろな種がいます。そんなムシヒキアブたちの一部を紹介します。

黒くて熊のような姿の「オオイシアブ」

オオイシアブ

オオイシアブは黒くて大きく、まるで熊のような姿で強そうです。(サイズ的にも生態的にも、昆虫界の中では強者だと思われます)

大型でよく目立つ場所に出てくるため、森の中を何気なく歩いているだけでもその存在に気付きやすいです。

初夏の季節によく見られ、真夏になると後述するシオヤアブに入れ替わるイメージです。

オスはお腹に白いボンボンを持つ「シオヤアブ」

シオヤアブ オス

シオヤアブはムシヒキアブの中でも大型で、最強昆虫候補として名前が挙がる1種です。

どれくらい大きいかと言うと、全長で比較すると国内最大級のアシナガバチであるセグロアシナガバチの1.5倍くらいです。

また、シオヤアブのオスは腹先に「白いボンボン」をつけていることも特徴的。

本格的な夏(6月後半以降くらい)になるとよく見られるようになります。

緑色の複眼が美しい「アオメアブ」

アオメアブは名前の通り「緑色の目(複眼)」が特徴的なムシヒキアブです。

体の色も金色で、全体的に華やかなイメージがあります。

河川敷など、ひらけた草地で出会えます。

毛が曲がっている「マガリケムシヒキ」

複眼の後ろの毛が曲がっているのが特徴的なムシヒキアブ。

夏に森を歩いているとこのようなシルエットのムシヒキアブをよく見るのですが、似た姿の種が多数いるので識別は難しめです。

スマートな体型「ハラボソムシヒキ」

ハラボソムシヒキは、名前の通り腹が細長いムシヒキアブです。

ここで紹介しているムシヒキアブの中ではサイズも小さく、10mm程度。

華奢な姿をしていますが、他種と同様、肉食性なので他の虫を狩ります。

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まとめ

ムシヒキアブの特徴についてまとめると、以下のようになります。

  • ムシヒキアブは肉食性のアブである
  • 狩りの仕方は「奇襲」
  • 植物を育てている方にとって「益虫」
  • 人は基本的に刺さない

ムシヒキアブにはさまざまな種がおり、森で出会いやすいもの、草地で出会いやすいもの、特定の地域(沖縄など)にしかいないもの、などがいます。

もしムシヒキアブに会ったら、ぜひ今回紹介した部分に注目して観察してみてください!

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