スズメバチが強い理由を解説!その強さの秘密は毒針だけではなかった

スズメバチといえば強い昆虫の代表格であり、人間からも恐れられるほどに強い虫です。
スズメバチの武器と言うと「毒針」ですが、スズメバチが強さの秘密は単なる武器の強さによるものだけではありません。
というわけで、今回は「スズメバチの強さの理由」について紹介します!

執筆者: 亀田恭平 ネイチャーエンジニア
全国各地で観察した生き物たちの魅力をアプリやブログなどで発信中。もりみらい いきものゲームズの開発者。今まで出会った動植物は「5,000種」以上。書籍「弱虫の生きざま」。
目次
スズメバチとは
スズメバチはハチ目スズメバチ科というグループに属する昆虫たちです。
スズメバチ科は「スズメバチ亜科」、「アシナガバチ亜科」、「ドロバチ亜科」などに分かれますが、ここでは「スズメバチ亜科」に属するハチを対象に解説します。
スズメバチは肉食性昆虫であり、昆虫界では強者です。
その証拠に、ハチの黒と黄色の配色を真似て(擬態して)身を守っている昆虫は数多く存在します。

ハチの姿に擬態するハナアブ
ちなみにその配色からスズメバチのことを英語では「yellow jacket(イエロージャケット)」と言います。
また、スズメバチは人からも危険な虫として恐れられている昆虫です。
というのは、スズメバチは腹部にある毒針によって、死傷事故が発生することもあるため。
実際、ハチによる人の死亡事故は毎年20件ほど発生しています。
その原因となった種はキイロスズメバチかオオスズメバチがほとんどとのこと。
この「オオスズメバチ」は日本最大かつ世界最大のスズメバチでもあります。

世界最大のオオスズメバチ
オオスズメバチによる被害が多い理由としては、攻撃性が強い上に「毒の量」も多いためです。
スズメバチの強さの理由
何度も刺すことのできる毒針
スズメバチは産卵管が変化してできた毒針を持っています。
しかも、その毒針を敵に何度も刺すことができます。
これこそがスズメバチの強力な武器です。
基本、スズメバチに出会った時は刺激しないようにゆっくりと動くことが推奨されます。
しかし、もし攻撃開始されてしまった(刺された)場合には、急いで離れた場所に逃げることが大事。
なぜなら、刺される回数が多くなる(=毒が多く注入される)からです。
ちなみに、毒針によって人を刺す危険性があるハチには、他に「ミツバチ」がいます。

ニホンミツバチ
スズメバチとミツバチとは毒針の仕組みに違いがあります。
ミツバチの毒針には返しがついているため、一度しか刺すことができません。(針を抜こうとすると内臓がちぎれて死んでしまう)
一方、スズメバチの毒針には返しがないため、死ぬリスクを冒さずに何度も毒針を刺すことができるのです。
※ただしミツバチの場合はハチ本体を取っても毒針が皮膚に残るため、ハチとは別に毒針を取り除く必要があるという厄介さがあります
このようにスズメバチは「何度も刺せる毒針」という強力な武器を持っていますが、実は虫には他にも強力な毒を持つものがたくさんいます。
しかしスズメバチのように、多数の死亡事故を起こすようなものはいません。(感染症媒介による事故はありますが)
それはなぜでしょうか?
というのは、スズメバチが強い理由は単体の武器の強さによるものだけではないからです。
それが次に説明する「社会性」です。
社会性
スズメバチには、ハチ目の昆虫の中の一部の虫が持つ「社会性」があります。
社会性とは、いわゆる「群れ」をなして、群れの中で役割分担をする性質のこと。
群れの中には大きく以下の3つの役割があります。
・女王蜂:1つの巣に1匹のみ。巣作りと産卵を担う。
・働き蜂:えさ集め、幼虫へのえさやり、巣を守ること、などを担う。(メス)
・オス蜂:女王蜂との交尾が唯一の役割。交尾後死んでしまう。
例えば、働き蜂は「巣を守る」という役割があります。
そのため、巣に危険がある場合、働き蜂が集団で命をかけて戦います。
社会性を持たない昆虫では、各自が単体で戦うことがありますが、社会性を持つ昆虫は群れが一体となって戦います。

スズメバチの群れ
強力な毒針を持つ虫が連携して戦うわけですから、その総攻撃力(毒の総量)はとてつもないことになります。
これこそがスズメバチが高い戦闘力を持ち、死亡事故も多くなる理由なのです。
※毒を持つ虫の多くは受け身で発動する(パッシブ型)が、スズメバチは能動的に毒を使ってくる、という違いもあります
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スズメバチの種類
世界最大のスズメバチ「オオスズメバチ」

日本最大かつ世界最大のスズメバチ。
つまり最強のスズメバチですね。
全長30 - 40mmほどあります。(働き蜂)
黄色味の強い「キイロスズメバチ」

他の種と比べて、黄色の部分が多いスズメバチです。
多種よりも小型で、全長20mm前後。
他のスズメバチはよく樹液に集まっているのを見ますが、キイロスズメバチは花や草地にいるのを見ることが多いです。
赤黒のカラーリング「チャイロスズメバチ」

赤と黒の、他の多くのハチと異なる配色のスズメバチ。
他のスズメバチの巣に侵入して乗っ取るという生態(社会寄生)を持ちます。
食用にもされる「クロスズメバチ」

日本の郷土料理「蜂の子」の食材として代表的なのがこのクロスズメバチ。
10mm前後と、ミツバチほどの大きさ。
比較的おとなしく攻撃性の低いスズメバチです。
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まとめ
スズメバチの強さについてまとめると、以下のようになります。
- 何度も刺せる毒針を持つ
- 受け身でなく能動的に毒で攻撃できる
- 社会性を持っており、集団攻撃する
スズメバチは高い攻撃力を持ち、実際事故につながることもあるので怖いイメージがありますよね。
しかし実は、こちらから刺激しない限り、危険はほとんどありません。
※ただし気付かずに巣に近付いてしまうケースは危険なので、草藪に踏み込む時などは、ハチが集まっていないかなどよく確認しましょう
スズメバチ自体は「強い」「かっこいい」「チームプレー」など、虫としてたくさんの魅力を持つ虫です。
不用意に刺激しないことだけ気を付けて、ぜひ今回紹介した部分に注目して観察してみてください!
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