忍者のキャラクターとしての魅力を解説!忍びの精神・心得とは?

日本ならではの人気キャラクターと言えば、「忍者」。

ちなみに「忍者」という言葉は30年代以降にメジャーになった言葉で、歴史的には「忍び」「乱破(らっぱ)」「素破(すっぱ)」「」「奪行」「かまり」などと呼ばれていました。

また、忍者は高い戦闘力だけではなく、多岐に渡る能力を持ちます。

登器、火器、交際術、薬学、食事、天文など様々な分野に精通する忍びの能力は、単一の分野の学問での研究で把握するのは不可能なほどに奥深い存在なのです。

そのようなミステリアスな部分や奥深さが、忍者のキャラクターとしての魅力を高めているように思います。

というわけで今回は、歴史的背景も踏まえて「忍者の面白さ・魅力」について紹介します!

※忍者に関する基礎知識は、以下を主な参考文献としています。
・山田雄司『忍者の歴史』(角川選書)
日本忍者協議会 公式サイト


執筆者: 亀田恭平 ネイチャーエンジニア

全国各地で観察した生き物たちの魅力をアプリやブログなどで発信中。もりみらい いきものゲームズの開発者。今まで出会った動植物は「5,000種」以上。書籍「弱虫の生きざま」。

忍者の魅力

忍者について調べていると、忍者のユニークな魅力は以下の3点にあるように思います。

  1. 忍者(忍び)の歴史
  2. 忍者の能力および忍術
  3. 忍者の精神・心得

それぞれ、解説していきます。

1. 忍者の歴史

忍者(忍び)の起源について、以下のような記載があります。

忍者は歴史的には「忍び」と呼ばれ、史料上確実に存在が確認できるのは、南北朝時代(1336–1392)以後で、その起源は13世紀後半に荘園制支配に抵抗した悪党にあると考えられる。

忍びは、乱波(らっぱ)・透波(すっぱ)・草(くさ)・奪口(だっこう)・かまりなど、地方によりさまざまな名前で呼ばれ、忍者(にんじゃ)という呼び名が定着したのは昭和30年代になってからのことである。

戦国時代の忍びは、各地の大名に召し抱えられて、敵国への侵入、放火、破壊、夜討、待ち伏せ、情報収集などを行ったが、最も重要なのは敵方の状況を主君に伝えることであることから、極力戦闘を避け、生き延びて戻ってくる必要があった。

引用:忍者の基本 - 日本忍者協議会 公式サイト

江戸時代の1624年頃までの忍びは主に上記のような隠密行動をしていたようですが、それ以降は「警護」や「情報収集」をする役割に変化していきます。

そうして実在の忍びが姿を消していってから、小説・芸能では虚像としての忍びが描かれるようになっていきました。

黒装束を身に付けて手裏剣を打つ」といった一般的な忍者のイメージは、江戸時代後期に作られたものです。

また女性忍者を表す「くノ一」は本来、男性忍者とは異なる役割を担う存在でしたが、戦後1960年代以降の女性の社会進出に呼応し、様々な作品によって描かれて定着していきました。

ーーー

以上がめちゃめちゃ端折った忍びの変遷で、江戸時代以降の忍びはファンタジーなものになっていきます。

ただ、上記の通り、忍びは「歴史」を伴ったリアルな存在であり、完全にファンタジーではないというのが、キャラクターとしての1つの魅力であると僕は思います。

かつて様々な忍術や能力を駆使し戦乱の時代で活躍していた忍びですが、今は実際に会うことはできず、書物などの記述を見て想像するしかありません。

それゆえに、

・火薬に関する知識 →「火を出す術」を扱えたのではないか?
・動物に変装して身を隠す術 →「変身」ができたのではないか?

などなど、ワクワクするような想像が生まれます。

そのような"リアルだけど神秘的な存在"であることが、忍者に興味を感じさせるのだと思います。

2. 忍者の能力および忍術

忍者の持つ能力については、以下のような記載があります。

延宝4年(1676)には、忍びの間で伝えられてきた技が伝授されなくなってしまうという危機感から、中国古代の兵書『孫子』をはじめ、さまざまな兵法書・忍術書からまとめ上げた『万川集海』が藤林保武によって編纂された。

ここには登器・水器・開器・火器などの道具も絵とともに記されているほか、その他忍術書には、交際術・対話術・記憶術・伝達術・呪術・医学・薬学・食物・天文・気象・遁甲・火薬など多様な記述がなされており、忍術とは、総合的知識に基づくサバイバル術と位置づけることができよう。

引用:忍者の歩み - 日本忍者協議会 公式サイト

上記の通り、忍びは非常に幅広い知識や技術、能力を持っていたことが分かります。

そしてそれらは戦国時代における活動の中で使用されてきました。

このような実践の場で使われた技というのは、それだけで説得力がありますし、場面も想像しやすいです。

例えば、道具を使った技術には、以下のようなものがあります。

・「のろし」「松明」「火矢」などの火器を用いた。1つ1つの火器を様々な用途に利用した
・忍者食として知られる「兵糧丸(ひょうろうがん)」には、カロリー摂取と同時に体調を整え、病気を防ぐ効果がある
・「酔い止め」「眠くならない薬」「毒薬」など、さまざまな薬を用いる知識があった
・秘密の内容を文書にする時には、普通には読めないように暗号化した

身体を使った技術としては以下。

・音を立てない歩き方「ぬき足」「すり足」「しめ足」「飛び足」など
・暗闇でも目が見えるようにするため、忍び込む35日前から暗いところにこもる
・日常から山林で木を登ったり飛び移ったりすることで、高い身体能力を身につけた
・高いところから飛び降りる時も、着地する際に少し上に飛び上がるようにすることで音もなく着地できた

ただ、これらの忍びの技は、近代のアニメ等の作品で描かれる戦闘技などよりも地味な印象ですよね。(とはいえこれらの技を使いこなす忍びは、優れた知力・身体能力を持っていたと思われます)

というのも、忍びの最大の目的は「手に入れた情報を、生き延びて君主に伝えること」。

そのため、リアルな忍びの術というのは「敵地で情報収集をするため、敵地で生き残るため」の技術であることが多いのです。

ちなみに、忍びには「忍び込む時には優れた動物の真似をする」という技もあります。

例えば、
・猫のように軒伝いに
・猿のように木に登って
・狐狼が化けるのと同じように姿を変えて
など

僕が開発している忍者ゲーム「獣忍伝」は、動物の力を借りる忍者が登場しますが、現実の忍びもリアルに動物の力を使っていたんですね。

▼動物の力を使う忍者が登場するゲーム!事前登録受付中!▼

もりみらい 忍者ゲームズ

獣忍伝 - 動物忍者バトル
忍者のターン制バトルRPG

3. 忍者の精神・心得

さまざまな忍術書が集積された「万川集海」には、"忍びとして必要な10の要素"が記述されています。

第一、忠勇謀功信の五つがあって、心身健康な者。

第二、平素柔和で、義理に厚く、欲が少なく、理学を好んで、行いが正しく、恩を忘れない者。

第三、弁舌に優れて智謀に富み、平生の会話もすぐに理解し、人の言う理に乗じて欺かれることを大いに嫌う者。

第四、天命を知って儒仏の理を兼ね備え、死と生は天命であることを常に心がけ、欲望から離れることを常日頃から学び、先哲の言葉をよく理解している者。

第五、武士の規範を知ることを好み、古武士の忠勇心をもち、義を重んじて主君に代わって命を差出すことができる者。あるいは智謀により敵を滅ぼした和漢の名士の風を聞き伝え、軍利戦法に関心があり、英雄の気概を備えた者。

第六、平素は人と諍論することを好まず、柔和だが威厳をもって義理深く、表裏のない善人としてよく知られている者。

第七、妻子あるいは親族等がみな正しい心をもっていて、反り忍の害がない者。

第八、諸国を廻って諸所の国ぶりをよく知っている者。

第九、忍術をよく学び、謀計に敏感で、文才があって書をよくし、最も忍術になれていて軍利に志が厚い者。

第十、軍術は言うに及ばず、諸芸に通じていて、詩文あるいは謡、舞、小唄、拍子、物まね等の遊芸に至るまで、時宜にかなって使うことができ、時間を埋めることができる者。

引用:『忍者の歴史』(角川選書)

これら全ての条件を満たす、稀有な存在の忍びは「上忍」と呼ばれました。

そして主君は、このような類稀な能力を持つ上忍を見極めて用いることができれば勝利を得ることができる、としているのです。

本書には「主君への忠誠心」に関する記述もあります。

主君に忠誠心を尽くすのが大事であり、自分を踏み打つものがいても、耐え忍ばなければならない

また、"忍び"の語源は、刃が心(心臓)に突きつけられるような状況であっても動じない気持ちを持つこと。耐え忍ぶこと、です。

当流奪口忍之巻註」では、「五忍」について定義されています。

「忍生」:どのような辱めを受けても生を保たなければならない
「忍死」:平生から忠義のために命を捨てることも恐れず、また忠義に限らず万のことについて死を恐れない
「忍欲」:金銀ばかりでなく何であっても心の望み欲することを制する
「忍我」:人に対して言いたいことがあっても自己主張をせず自分を押し殺す
「忍人」:人に諂わず人に従わず己の心のままに自立する

上記の通り、忍びは「忍びの精神」を持つものを言います。

忍びには能力や技といった外面的なものだけではなく、"生き様"のような要素が含まれています。

そんな忍びの生き様に共感したり、憧れを持つということが、忍びならではのユニークな魅力の1つなのだと思います。

ところで、もともと忍びの技の伝承は基本的に口伝で行われていました。

しかし江戸時代以降、実在する忍びはいなくなっていきます。

忍びの技が継承されなくなることに危機感を覚えて、「万川集海」のような忍術書が書かれていったようです。

そうした活動の背景には、当時の人たちの「忍びの技や心得を後世に残したい」という気持ちがあったのでしょう。

その後実在する忍びはいなくなりましたが、その生き様に心を動かされる事があるというのは、忍びの精神が今も僕たちに受け継がれている部分があるからなのかもしれませんね。

今後忍者キャラクターを見た際には、その能力のほか「忍びの精神」にもぜひ注目してみてください!

もりみらい 忍者ゲームズ

獣忍伝 - 動物忍者バトル
忍者のターン制バトルRPG