夏に成虫がみられる虫・昆虫おすすめ8選

虫のイメージのある季節といえば「夏」!
7〜8月にかけて夏休みやお盆休みもあり、虫探しをしやすいタイミングです。
そのため、この季節に出会いやすい生き物を知っていると、夏の時間をより楽しく過ごすことができます。
というわけで今回は、「夏(7〜8月)に見られるおすすめの虫たち」を紹介します!

執筆者: 亀田恭平 ネイチャーエンジニア
全国各地で観察した生き物たちの魅力をアプリやブログなどで発信中。もりみらい いきものゲームズの開発者。今まで出会った動植物は「5,000種」以上。書籍「弱虫の生きざま」。
目次
初夏に見られるおすすめの虫8選
夏の定番「カブトムシ、クワガタムシ」

カブトムシ
カブトムシ・クワガタムシは、夏に出会いたい虫として外せない昆虫でしょう。
両者ともに雑木林などの樹木の上で見られますが、実は微妙によく見られるタイミングが違います。
カブトムシは7月中旬以降〜8月に多く見られますが、クワガタムシは入れ替わるように6〜7月中旬、9月によく見られます。
最強の虫ランキングの記事でも少し触れていますが、正面対決ではクワガタムシよりもカブトムシが強いので、彼らを避けるタイミングで出現しているのかもしれません。
「昆虫の王様」とも呼ばれるカブトムシ、その"大きなツノ"はやっぱりかっこいいですよね。
一方、クワガタムシの方はかっこいい"大きなあご"が特徴的。
また、カブトムシの種はいくつかに限定されるのに対し、クワガタムシにはいろいろな種がいるという点も魅力です。
平地ではノコギリクワガタやヒラタクワガタ、山ではミヤマクワガタやアカアシクワガタといったように、場所によって出会える種が変わるんですよね。(山であれば8月にもクワガタがよく見られます)

ノコギリクワガタ
カブトムシやクワガタムシに出会うことは、夏の素敵な思い出になること間違いなし!
人気な虫ゆえに観察・採集マナーにはよく注意しながら、ぜひ探してみてください。
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国内最大級のバッタ「ショウリョウバッタ」

ショウリョウバッタ メス
夏になると、春〜初夏はまだ幼虫だったバッタ類が続々と成虫になっていきます。
その中でも夏に注目したいのが「ショウリョウバッタ」!
精霊祭(8月の旧盆)の時期に成虫が発生し、精霊流しの船の形に姿が似ていることが名前の由来。
夏のバッタにふさわしい種なのです。
また、ショウリョウバッタはオスとメスで体の大きさが大きく異なり、メスは80mm程度にもなる国内最大級のバッタです。
こんなに大きなバッタが身近な草地で見られるのだから嬉しいですね。
ちなみにオスは「キチキチキチ…!」という音を出しながら飛翔するので「キチキチバッタ」とも呼ばれます。

ショウリョウバッタ オス
夏にはぜひ、このショウリョウバッタに注目してみてください!
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渓流の怪獣「ヘビトンボ」

ヘビトンボ
ヘビトンボはサイズが80〜100mmほどと巨大で、黄色いボディと大きなはねを持ち、その姿はまるで怪獣のような姿をしています。
名前に「トンボ」とつきますがトンボの仲間ではなく、「アミメカゲロウ目」というグループに属します。
ヘビトンボはかなりインパクトのある外見を持つ虫ですが、なんと性格も凶暴です。
ヘビトンボを手で掴むと、その長い首を曲げ、激しく噛み付いてこようとするのです。

噛みつくヘビトンボ
名前に「ヘビ」がつく由来には諸説あるようですが、"噛み付く様子がヘビのようであること"も説の1つとしてあるようです。
なお、ヘビトンボは渓流に生息する昆虫で、流れのあるきれいな水がある場所で見られます。
ヘビトンボが見られるということは、そこには豊かで美しい自然が残されているということ。
そういう意味でも出会うと嬉しいこの虫、ぜひ注目してみてください!
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手のひらサイズの巨大な蛾「ヤママユ」

ヤママユ
ヤママユの一番の特徴は、なんといってもその大きさ。
その大きさは115〜150mmほどもあり、これは"大人の男性の手のひらサイズ"です。
はねには目のような模様(眼状紋)もあり、とにかくインパクトのある蛾なのです。
ちなみにヤママユは「天蚕(てんさん)」とも呼ばれます。
カイコガの繭から得られる糸は古くから養蚕で利用されてきましたが、実はヤママユの繭から得られる糸も天然繊維として利用されてきました。
「天蚕糸(てんさんし、てぐす)」と呼ばれるその糸は、カイコガと比べて飼育が難しいことから生産量が少なく、希少で高価な素材のようです。
このヤママユは晩夏から出現するため、"秋の到来を告げる"、という印象の蛾。
夏の最後に、大きな大きな思い出を刻んでくれる存在なのです。
夏ならではの装い「夏型の姿を持つ昆虫」
昆虫の中には、発生時期によって姿が変化するものがいます。
季節によって姿の変わる虫は、発生する時期をくっつけて「春型」「夏型」などと呼ばれます。
例えば、シリアゲムシの一種である「ヤマトシリアゲ」も発生時期によって大きく姿を変える昆虫です。

ヤマトシリアゲ 春型

ヤマトシリアゲ 夏型
同じ種なのに、こんなに姿が変わるなんて面白いですよね。
ちなみにシリアゲムシは特に山地で多くの種が見られる傾向がありますが、ヤマトシリアゲは平地でよく見られる、身近なシリアゲムシです。
また、チョウも季節によって姿が変わるものが多いです。
例えば「サカハチチョウ」は、春型と夏型でイメージが大きく変わる代表的な種ですね。

サカハチチョウ 春型

サカハチチョウ 夏型
長い期間見られる虫であっても、「夏型」の姿が見られる期間は夏だけです。
虫たちの季節に応じた装いにも、ぜひ注目してみてください!
夏の夜に聞こえる鳴き声「クツワムシ」

クツワムシ
キリギリス・コオロギなどは"秋に鳴く虫"というイメージがありますが、虫たちの鳴き声は夏から結構聞くことができます。
その中でも存在感が強いのがこの「クツワムシ」。
夜の林縁で、非常に大きくて特徴的な鳴き声を出すのです。
かなり離れていても、「クツワムシがいる!」と気付けます。
そのクツワムシの鳴き声はというと、図鑑で調べると「ガチャガチャ」と書いてあります。
ところが実物の声を聞いてみると、「ギュリリリ…!」という感じです。
クツワムシには「管巻(くだまき)」という別名があるのですが、管巻とは「織機のよこ糸を巻き付けること」であり、この時に出る音がクツワムシの鳴き声に似ていることが由来となっています。
織機が動いている動画を探して音を聞いてみましたが、僕の感覚ではクツワムシの鳴き声に近いように感じました。
夏は「夜の虫の鳴き声」にも注目してみてください!
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虹色に輝く甲虫「ヤマトタマムシ」

ヤマトタマムシ
美しい虫を聞かれて、一番に頭に浮かべる人も多いであろう「ヤマトタマムシ」。
その虹色に輝く美しいはねは死んでも色褪せることはなく、昔から装飾品として利用されてきたほどです。
このヤマトタマムシも、真夏の時期によく見られる虫です。
出会う頻度が高い場面としては、2つ。
1つ目は、エノキの樹木周辺を飛翔している場面。
この場合、樹木の上の方を飛翔していることが多いので、その姿をじっくりと見ることはできませんが、空の上をキラキラと輝く虫が飛んでいる様子は観察できます。
2つ目は、産卵のために枯れ木や切り株にやってきている場面。
この時は低い位置に降りてくることも多いので、じっくり観察できるチャンスです。
※枯れ木などは公園などでは速やかに撤去・処分されたりしますが、こういった場所を利用する生き物も多くおり、タマムシにとっても生息するために必要な環境なのです。
ヤマトタマムシの美しい姿に出会うと、誰もが幸せな気持ちになれますよね。
もし出会うことができたら、ぜひその美しい姿をじっくりと観察してみてください!
青い模様を持つハチ「ナミルリモンハナバチ」

ナミルリモンハナバチ
ハチというと黒と黄色の配色のものが多いですが、なんと"青いハチ"もいます。
その青いハチの1種が「ナミルリモンハナバチ」。
その姿から「ブルービー」と呼ばれることもあります。
ハナバチの仲間は花の蜜や花粉を集めて幼虫に与える習性を持つため、植物の受粉を助ける役割を担います。
つまり、人間を含む生き物たちにとっても特に大切な存在の虫たちなのです。
ハナバチ類は春によく見られますが、晩夏〜秋にもまた見られる機会が増えます。
ナミルリモンハナバチは、時期的にはこの第2部に発生するハナバチなのですね。
ナミルリモンハナバチは先ほど言った通り花に集まるため、林縁にある花でよく見られます。
実は夏は他の季節と比べると花を咲かせる植物が多くないのですが、「キツネノマゴ」「アキノタムラソウ」などはこの時期にも花を咲かせているため、それらの植物でよく見られます。
出会えると嬉しいブルービー、林縁などでぜひ探してみてください!
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