青いトンボ3種の見分け方と特徴!シオカラトンボ、シオヤトンボ、オオシオカラトンボの違いを解説

トンボというと、赤とんぼ、オニヤンマやギンヤンマなどのヤンマ類、イトトンボなどさまざまなものがいますが、「青いトンボ」というのも代表的なトンボのイメージではないでしょうか?
青いトンボとして最も知名度の高い種と言えば「シオカラトンボ」かと思いますが、身近に見られる青いトンボは、実は3種います。
そんな彼らの見分け方を知っていると、水辺や森を歩くのがより楽しめるようになりますよ!
というわけで今回は、「身近な青いトンボ3種」について紹介します!

執筆者: 亀田恭平 ネイチャーエンジニア
全国各地で観察した生き物たちの魅力をアプリやブログなどで発信中。もりみらい いきものゲームズの開発者。今まで出会った動植物は「5,000種」以上。書籍「弱虫の生きざま」。
青いトンボ3種の特徴
シオカラトンボ

シオカラトンボ オス
まず、最も知名度のある青いトンボだと思われる「シオカラトンボ」。
ところでシオカラトンボの「シオカラ」とは何でしょうか?
それは、シオカラトンボが成熟した時に覆われる白い粉を「塩」に見立てたことが由来。
実は今回紹介する3種共通して、青い姿になるのは"オスのみ"であり、さらに青く見える理由は成熟(※)した時に「青白い粉」を吹くためなのです。
※トンボは羽化すぐには繁殖ができず、羽化後しばらくしてから繁殖ができるようになります。これを「成熟」と言います。
そのため、メスや未成熟のオスは以下のように、青ではなく黄色の姿をしています。

シオカラトンボのメス
このように、黄色に黒い斑紋が入っている様子が「麦わら帽子」に見えることから、シオカラトンボのメスは「ムギワラトンボ」と呼ばれることもあります。
また生態としては、他の2種は水辺や森の中の水辺付近などでよく見られるのですが、シオカラトンボは公園の池など街中であったり、水辺から少し離れたところでも見られやすいのが特徴的です。
シオヤトンボ

シオヤトンボ オス
「シオヤトンボ」は、青いトンボ3種の中で最も早く出現する種です。
他の2種は5月以降によく見られるようになりますが、シオヤトンボはなんと4月中旬くらいには多くの個体が飛翔しているような状態に。
4月半ばくらいと言えば、虫シーズン開幕の時期で、その辺りからどんどんと見られる虫が増えていく頃。
シオヤトンボはそんな虫シーズンの訪れを感じさせてくれる、嬉しい種なのですね。
大きさは今回紹介する3種の中では小柄な種で、少し華奢な印象のトンボです。
またシオカラトンボ同様、成熟したオスは青い姿になりますが、メスは黄色っぽい姿です。

シオヤトンボ メス
シオヤトンボは田んぼや池など身近な場所で見られる種ですが、水辺からはあまり離れない場所で活動する印象の種です。
オオシオカラトンボ

オオシオカラトンボ オス
オオシオカラトンボは、今回紹介する3種の中では最も大きく、がっしりした印象の種です。
オスの色味も他の2種と違って、他が水色だったのに対して「紫寄りの青色」となっています。
この種も他のトンボ同様、成熟したオスは青い姿になりますが、メスは黄色っぽい姿をしています。

オオシオカラトンボ メス
オオシオカラトンボは沖縄にも生息する種ですが、日本本土に分布するものとは姿に違いがあります。
沖縄の個体は"はねの付け根部分にも青い粉が目立つ"などの違いがあるため、本土の個体とはまた異なる印象になります。

西表島のオオシオカラトンボ(亜種:ヤエヤマオオシオカラトンボ)
オオシオカラトンボも田んぼや池などの水辺近くで見られることが多いですが、特に森が近くにある環境を好むように思います。
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青いトンボ3種の見分け方
ここまで紹介してきた3種、よく似た姿をしていますよね。そんな彼らの見分けポイントをお伝えします。
3種を横断した見分けポイントはズバリ、「はねの付け根」です。
以下の部分が、種ごとに違うのです。

シオカラトンボ | はねは全体透明 |
シオヤトンボ | はねの付け根が黄色い |
オオシオカラトンボ | はねの付け根が黒っぽい(着色部分も広め) |
上記に加えて、以下の見分けポイントでも見分けることができます。
・オスかつ腹部の黒い部分が広い → シオカラトンボ
・複眼がほぼ黒 → オオシオカラトンボ
・オスかつ胸部が全体青い → オオシオカラトンボ
・4月中旬以前に見られた → シオヤトンボ
このように、身近な場所で見られるトンボも、実は複数種が生活しています。
これらの虫たちを見分けることができれば、日常の散歩やハイキングがより楽しくなると思うので、ぜひ注目して観察してみてください!
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