かわいいイモムシ・毛虫ランキングベスト5

ナミアゲハ幼虫

イモムシ(芋虫)とは、「チョウやガ類の幼虫のうち、毛の少ないものの総称」を指す言葉で、毛虫は「毛の多いチョウやガ類の幼虫の総称」のことを指します。

特に春〜初夏、秋の季節はイモムシ・毛虫に出会う機会が多くなりますが、彼らの中にはよく見るとかわいいものがたくさんいます。

そんな彼らの魅力を知っていると、四季をより楽しめるようになります。

というわけで今回は、「かわいいイモムシ・毛虫たち」を紹介します!


執筆者: 亀田恭平 ネイチャーエンジニア

全国各地で観察した生き物たちの魅力をアプリやブログなどで発信中。もりみらい いきものゲームズの開発者。今まで出会った動植物は「5,000種」以上。書籍「弱虫の生きざま」。

かわいいイモムシ・毛虫ランキングベスト5

第1位 幼虫育成の王道「ナミアゲハ」

ナミアゲハ終齢幼虫

ナミアゲハ終齢幼虫

人に愛されるイモムシとして外せないのが「ナミアゲハ」(※)でしょう。

※単に「アゲハチョウ」と呼ばれることもあります。(総称のアゲハチョウと区別するため、ここではナミアゲハと呼びます)

ナミアゲハの幼虫は「ミカン科」の植物(ユズ、レモンなど)を食べます。

大きくなったアゲハチョウの幼虫は大食漢で、もしゃもしゃと一心不乱に葉を食べます。

樹木が丸裸になるまで食べてしまうほどで、そのひたすらに食べている姿も、可愛らしさを感じる点の1つです。

ナミアゲハ幼虫の外見的な特徴といえば、大きな目玉模様

ナミアゲハ幼虫の姿といえば、この模様をイメージすることが多いのではないでしょうか。

この目玉模様は本当の目ではなく、「眼状紋」と呼ばれるものです。

眼状紋により、大きな動物の目(ナミアゲハの場合はヘビ)があるように見せることで、外敵から身を守る効果があると言われています。

ナミアゲハの本当の顔は眼状紋より前方にあります。

ナミアゲハ終齢幼虫

ナミアゲハの本当の顔

普段静止している時、本当の顔はあまり見せてくれませんが、葉を食べている時などはその顔を見られるチャンスです。

ちなみにナミアゲハが食べるミカン科の植物は街中にもよくあるため、ナミアゲハは身近な場所で見られやすいチョウです。

探せば幼虫を観察できる機会も少なくないので、ぜひ探してみてください!

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第2位 つぶらな瞳「ゴマダラチョウ」

アカボシゴマダラ 幼虫

アカボシゴマダラ幼虫

ゴマダラチョウ」の幼虫は、つぶらな瞳が魅力的なイモムシです!

ゴマダラチョウの仲間である、ゴマダラチョウ、アカボシゴマダラ、オオムラサキの幼虫は互いによく似ており、そしてどれもキュートな顔をしています。

※ゴマダラチョウの幼虫の顔の写真がなかったので、近縁種「アカボシゴマダラ」の写真を掲載しています

ただしそのキュートな顔は、実はそう簡単には見せてもらえません。

彼らは警戒するとすぐに伏せて顔を隠してしまうのです。

アカボシゴマダラ幼虫

顔を伏せたアカボシゴマダラ幼虫

だからその顔を見るには、警戒されないようにできるだけじっと観察するか、なんとか葉の下からのぞき込むしかありません。

でも簡単に見ることができないからこそ、その顔を拝めたときには嬉しい気持ちになるのですよね。

ちなみにゴマダラチョウ、アカボシゴマダラ、オオムラサキの3種が食べるのは共通して「エノキ」という植物の葉です。

エノキは里山などでよく見られる身近な樹木なので、エノキを見つけたらぜひその葉をチェックしてみてください!

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第3位 猫耳を持つイモムシ「トビモンオオエダシャク」

トビモンオオエダシャク幼虫

イモムシの中には、猫耳のようなものを持つものがいます。

その猫耳を持つイモムシの一種が「トビモンオオエダシャク」。

トビモンオオエダシャクは「シャクガ科」というグループに属するガの仲間で、シャクガの仲間の幼虫はいわゆる「尺取虫」です。

尺取虫は指で尺を取るような、ひょこひょこした動きがユニークな虫たちですね。

シャクガの中でもエダシャクの仲間は、枝に擬態したものが多く、警戒するとピタッと止まって枝になりきります

トビモンオオエダシャクも例に漏れず枝になりきるタイプで、真っ直ぐピンとした姿勢で止まる仕草も魅力の1つなんですよね。

トビモンオオエダシャク幼虫

静止したトビモンオオエダシャク幼虫

エダシャクの仲間は互いによく似た姿のものが多く、識別が難しいのですが、猫耳を持つかわいい姿のものもいる(※)ので、ぜひ探してみてください!
※猫耳を持つエダシャクは複数います

第4位 寸胴な体型が可愛らしい「ミノウスバ」

ミノウスバ幼虫

イモムシ・毛虫の中には、体が太短い、寸胴な姿のものも少なくありません。

このような丸っこい姿のものは、なんだか可愛らしく感じてしまうんですよね。

寸胴な姿のイモムシとして、特に見かける機会が多いのが「ミノウスバ」です。

ミノウスバは「マダラガ科」というグループに属するガの仲間で、マダラガの仲間は寸胴体型の幼虫が多いです。

ミノウスバは「マユミ」という植物に巣を作って集団生活するので、マユミに注意して歩いていると高確率で出会うことができます。

ミノウスバ幼虫

ミノウスバの巣

ちなみにミノウスバは可愛い姿をしていますが、実は体液には毒があります。

その分泌液に触ると人によってはぶれたりする場合があるようなので、その点だけは注意して観察してみてください!(触らなければ大丈夫です)

第5位 緑色のもふもふ毛虫「ヒメヤママユ」

ヒメヤママユ幼虫

もふもふな姿をした毛虫も可愛らしいです。

中でも鮮やかなグリーンの毛並みを持つもふもふ毛虫「ヒメヤママユ」は、美しさと可愛らしさを併せ持つ、魅力的な毛虫ですね。

ただしこの姿は終齢幼虫(最終段階まで成長した幼虫)であり、その前まではもふもふな姿は見られません。

限られた期間しか見られないというのも、出会ったときには嬉しくなる要素の1つですね。

また、ヒメヤママユは「ヤママユガ科」というグループに属するガで、このグループのガは巨大な姿のものが多いです。

日本最大の蛾であるヨナグニサンもこのグループに属します。

ヒメヤママユは中では小さめの種なのですが、それでも成虫の大きさは10cm前後あります。

ヒメヤママユ

ヒメヤママユ

多くの昆虫は春〜夏の暖かい時期に活動しますが、ヒメヤママユの成虫は晩秋に現れるという、生態もユニークな虫です。

さて、幼虫の話に戻りますが、幼虫は初夏の時期にコナラなどで見られることが多いです。

一定の大きさがあり、鮮やかな緑色にもふもふの毛を持つ姿、というのはヒメヤママユ唯一の特徴なので、特定しやすいです。

初夏の季節はぜひこの魅力的な幼虫を探してみてください!

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